きょうだい支援の会の詳しい説明
きょうだい支援の会は、障害児・者のきょうだい支援を目的に、1998年3月から東京都内で活動を行っているセルフヘルプ・グループです。通常行っている活動は、年9~10回の例会の開催です。
【例会について】
例会の開催曜日と時間帯は、例会参加者が成人のきょうだいであることを考慮して、金曜日の夕方7時から9時、土曜日の午後3時から5時(時に応じて4時から6時なども)、日曜日の午後3時から5時のいずれかで行うことを原則としています。メンバーそれぞれ、仕事や家庭があるために、いつも同じ曜日だと一度も参加できないという人が出てきてしまうからです。きょうだい支援の会では、なるべく多くの方に来ていただき、それぞれの「思い」を伝えていただきたいと考えています。そのため、遠距離から参加されるメンバーのために、その方にとってアクセスのよい場所を設定して例会を行ったこともあります。
また、例会の中では、参加されるメンバーの年齢やきょうだい構成、兄弟姉妹の障害種別や程度を考慮して、さらに小グループに分かれての話し合いの場を設けることもあります。より共感を得やすい環境で、今までだれにも話せずにいたさまざまな感情を表現することを大切にしたいと考えているからです。例会での約束ごとは、次のようになっています。
【例会の原則】→詳しい説明はこちら
プライバシーを守りましょう。他の人に伝えてよいのは、自分の話だけです。
つらい話題のときには無理しないでください。話さなくても聞かなくてもよいです。
だれかの言葉に傷ついたときは、後からでもよいので、静かに率直に伝えましょう。
自分だけ話すのでなく、他の人の話も聞きましょう。
他の人の立場や考え方を受け入れましょう。
自分と他の人に共通する点を探しましょう。
みんなでつくる会にしましょう(今必要としていることは、それぞれ違います。自分が話したいテーマがある場合は遠慮なく言ってください。会の進め方など「運営」に関する意見・アイディアも大歓迎です)。
政治、宗教を持ち込まないようにしましょう。
なるべく時間どおりに来ましょう。遅れることが予めわかっている場合は、運営係まで連絡をお願いします。当日急に来られなくなった場合は携帯または携帯メールへ。
会には名簿がありません。誰かに連絡をする必要がある時は、本人の了承を得て連絡先を交換してください。
初めて例会に参加するメンバーには、事前にまたは初参加の時に原則設定の理由を説明しています。原則については、例会開催時に毎回確認することにしています。
例会の参加費用は、その時々に配布する資料の実費(20円程度、学習会開催の際は500円)、例会場所の賃貸費用(一人あたり200円~500円程度)、各自の飲食代などです。会そのものへの参加費(年会費)などは一切必要ありません。
また、会ではニュースレターは発行していません。それらを編集・配布することによる社会的な啓蒙活動よりは、きょうだい同士のフェイス・トゥ・フェイス(実際に会って話す)の関係作りを優先したいという考えからです。
例会の原則についての詳しい説明
1.は、セルフヘルプ・グループとしてとても大事なことであると考えています。例会で自分が何を話したかをだれかに言うのは自由ですが、他の人が何を言っていたかを勝手にだれかに伝えてはいけません。それは、例会での話し合いが、自分の家族や自分の感情について話すという、プライバシーに関わることを扱うことが多いからです。自分のプライバシーを守ると同時に、相手のプライバシーも守るということを大事にしています。
2.は、『アダルト・チャイルドが自分と向き合う本』をテキストとして行ったミーティングの時からつけ加えました。アダルト・チャイルドからの回復のためのプログラム「ミーティング」では、順番に発言していくことが多いのですが、そのとき話題になっていることを言葉にするのが辛い時や、他のメンバーから意見を求められたけれども言いたくない(言いにくい)場合には発言をパスしても構わないということです。
3.について。例会に来るメンバーは、それぞれの立場も違い、置かれている環境も、兄弟姉妹の状態も違っています。そのため、時として意見が相反する状況が生じることがあります。また、たとえば、兄弟姉妹の意思をどう尊重するかという話題で例会が盛り上がった時に、自分の兄弟姉妹には意思把握の難しい重い障害があるために、話題に参加しにくかったという気持ちを抱くメンバーが出てくることもあるかもしれません。
きょうだい支援の会では、それぞれの違いというものを認識しつつ、それらを包含しうる関係作り、すなわち、兄弟姉妹の障害種別や程度、家族構成といった 属性を超えた共感というものを目指しています。結果としてそれが、会に参加している自分たちの視野を広げ、自分は独りではないと自己存在を確かめることにつながり、より大きな連帯感や共感を生むと考えているからです。
例会では、司会の役割をする人がいて、なるべく感情の行き違いということが生じないように気を配っていますが、それでも十分ではないことがあり得ます。メンバーが、自分の中に感情を溜め込んでしまい例会から足が遠のくというようなことが生じるのを極力防ぎたいので、3.を重要視し、メンバーに心がけてくださるよう特にお願いをしているのです。
4.5.6.7.を設定している理由は3.と同じです。
9.は、例会の進行をする際(自己紹介や近況報告、情報交換やテーマを設けての話し合い)に、だれが何時くらいに来られるのかを把握しておくと助かるので、メンバーに協力をお願いしている事項です。
10.は、プライバシーの保護のために設けている規定です。運営係は、全員の連絡先を把握していますが、メンバーの個人情報を本人の了承なしに他の人に伝えるということはしていません。メンバーの方で、個人的にもっと話したいと思う相手ができた時には、お互いの了承に基づいて連絡先を交換してもらうことになっています。